ジャパンガイドYouTube公式チャンネル カテゴリ別再生回数ランキング
EXJカルチャー弊社は、月間UU数約230万人の訪日ポータルサイトjapan-guide.com(以下、ジャパンガイド)の国内総代理店を務めています。
japan-guide.comでは2017年よりYouTubeの公式チャンネルを運営しています。
2021年8月現在99本の動画を掲載しており、チャンネル登録者数は20.7万人にのぼります。
ジャパンガイドのチャンネルでは大きく分けて3つのカテゴリの動画が掲載されています。
- Travel Reports
該当エリアにおける1日~7日間のモデルルートを紹介 - How to Japan
日本食、旅館の泊まり方、電車の乗り方等、訪日初心者に向けた日本旅行におけるさまざまなHow toを紹介 - Top 5 (10) Around Japan
該当エリアにおける代表的なスポット・施設をランキング形式で紹介
最もユーザーからのニーズが高く、掲載本数も多いのが1の「Travel Reports」のカテゴリです。
今回は「Travel Reports」に掲載されている34本の動画のうち、再生回数が多い上位10本の動画を紹介させていただきます。
そして、そこから読み解ける欧米豪圏の視聴者の傾向について言及していきたいと思います。
【図表1Travel Reports動画 再生回数トップ10】
広域エリアを紹介する動画が人気
図表1から読み解ける特徴の一つが、広域なエリアを紹介する長期行程(3日間~7日間)の動画の再生回数が伸びやすい傾向にあるという点です。
一般に欧米豪からの旅行者はアジア圏からの旅行者と比較して滞在日数が長い傾向にあります。
過去にジャパンガイドで実施したアンケート調査では、7日間~21日間がボリュームゾーンという結果でした。
【図表2 滞在日数】
こうした背景があるなかで、1~2日間の行程よりも、3~4日間、もしくはそれ以上の長い行程を紹介する動画の方が、より欧米豪圏のユーザーのニーズにマッチしやすいと言えるかもしれません。
参考までに上位5本の動画の行程の日数は下記の通りです。
- The Best Places in Toyama:4日間
- 3 Day Trip from Tokyo to Kyoto via Hakone:3日間
- 3 Day Road Trip Across Kyushu:3日間
- 7-Day Trip from Tokyo to Kyoto:7日間
- Nagoya Side Trip to the Kiso Valley:3日間
具体的な情報を含む、長い尺の動画へのニーズが高い
図表3、4は7位「Exploring Nikko」と9位「Day Trip from Tokyo to Kawagoe」における、Like(高評価)とDislike(低評価)の割合を表しています。
ご覧の通り、Nikkoの割合がチャンネルの平均を下回るのに対して、Kawagoeの動画の割合はチャンネル平均を上回る結果となっています。
動画の尺の長さだけがこの結果につながっているわけではありません。
しかし視聴者の求める情報量という観点では、動画の長さというのも非常に重要です。
【図表3 Exploring Nikko LikeとDislikeの割合】
【図表4 Day Trip from Tokyo to Kawagoe LikeとDislikeの割合】
YouTubeの広告を利用する際にはインパクトのあるシーンを冒頭に差し込み、かつ端的に該当のエリアを紹介する尺の短い動画が良しとされています。
しかし、広告ではなくチャンネルに掲載するような動画の場合、短い動画はむしろ視聴者の満足度を下げてしまう結果につながることもあります。
これは広告と動画チャンネルで視聴者の属性が大きく異なることに起因します。
広告は、観光とは全く関係のない動画を視聴しようとする際に、該当の動画が始まる前に差し込まれる形となります。
料理レシピの動画を検索して視聴しようとしていたところ、〇〇県の観光動画が冒頭に広告として流れてきた、というようなケースです。
このような場合、広告として流れてきた観光の動画をスキップしてしまう視聴者が多いということは想像に難くないかと思います。
一方で、インバウンド関連の動画チャンネルに掲載されている動画は、視聴者自らがチャンネル登録をしている、もしくは自らが訪れる予定の地域を調べようと検索をかけて該当のチャンネルにたどり着いているという可能性が高いです。
つまり、”訪日予定がある”、”訪日旅行を計画中である”といった属性の視聴者に見られているということです。
こうした視聴者はアクセス方法、各種サービスの料金、営業時間等、より具体的な情報を求める傾向にあります。
そのため、1分~3分程度の動画では内容が十分ではないと感じられてしまうことが想定されます。
実際、図表1の「Exploring Nikko」の動画は再生回数こそ伸びているものの、3:52とジャパンガイドのチャンネル内では相対的に短い尺の中にあらゆる情報を詰め込んでしまっているためか、「動画が短すぎる」といったコメントが複数投稿されています。
Like数を見ても、Nikkoの動画よりも再生回数が少ない「Day Trip from Tokyo to Kawagoe」のLike数の約半分という結果となっています。
どのような目的で動画を作成・配信するのかにもよりますが、ターゲットに合わせたコンテンツを作成することが重要であることがこうした例を見てもよくわかるところかと思います。
今回のまとめ
- 広域、長期の行程を紹介する動画が人気
- 訪日意欲が高い、訪日計画中の視聴者は具体的な情報を求めるため、情報が十分にまとめられている長い尺の動画の方が満足度向上につながりやすい
次回は「How to」のジャンルの人気動画について紹介させていただければと思います。
みなさんが欧米豪圏向けの施策を練るうえで、これらの情報が参考になりましたら幸いです。