ジャパンガイドのTokyoのアクセスデータをスポット別に分析
ジャパンガイド日本における最大都市である東京は、外国人観光客から不動の人気を誇るスポットです。
来るコロナ収束後、国境を越えた観光が再開された際には真っ先に賑わいを取り戻すエリアの一つであると考えられます。それと同時に近年、東京をはじめとした主要観光スポットの「オーバーツーリズム」が問題視されているのも事実です。
このような観光が直面する問題に対し、メディアプロモーションが担える役割は何なのか。また効果的なプロモーションはどういったものなのか。
今回は、 そんな“Tokyo”についてjapan-guide.comサイトを通して、訪日外国人の傾向について分析し、インバウンドマーケティングにおいてより効果的なターゲット設定を行うためのヒントを探っていきたいと思います。
東京セクション ページ別人気ランキング
※以下データは、コロナ流行前から継続していたトレンドを紹介するため、コロナウイルス流行前(2019/1/1~2019/12/31)のデータを参照しています。
東京セクション全体のページ別アクセス順位は以下の通りです。
▽東京セクション全体‐ページ別アクセスランキング(上位20ページ) ※全126ページ中
Tokyo section | |
1 | 東京ガイド – スポット紹介 |
2 | 築地市場 |
3 | 秋葉原 |
4 | 浅草 |
5 | 皇居 |
6 | 浅草寺 |
7 | お台場 |
8 | 原宿 |
9 | 新宿 |
10 | 東京:交通・周辺情報 |
11 | 明治神宮 |
12 | 渋谷 |
13 | おすすめの旅程・サイドトリップ |
14 | 豊洲市場 |
15 | 東京の桜の名所 |
16 | 東京ショッピングガイド |
17 | 上野公園 |
18 | 新宿御苑 |
19 | 高尾山 |
20 | 都庁 |
築地市場や秋葉原、浅草などすでに外国人観光客からの知名度が高い主要観光スポットページ、また新宿や渋谷、原宿などの代表的なエリアが上位を占めていることがわかります。
スポットページのほかにも東京・周辺地域の交通情報を紹介した「東京:交通・周辺情報」ページ(10位)、都内のおすすめ周遊ルートを紹介した「おすすめの旅程・サイドトリップ」ページ(13位)なども人気ページとなっており、実際に訪日旅行を計画中、または旅行中のユーザーからの閲覧が多く発生していることが伺えます。
国別アクセス割合からみえる訪日ユーザーの傾向
代表するスポットである「新宿」とその周辺スポットである「都庁」を比較してみました。
日本国内からのアクセス割合に着目すると、メインの新宿ページの31%に比べ、周辺スポットの都庁ページは45%と、大幅に高い数値に推移しています。
すでに外国人観光客からの認知度が高く、訪日計画中の大多数のユーザーが訪問リストに加えている「新宿」は事前(旅マエ)に検索されることが多い一方、「都庁」など周辺の観光スポットについては、日本を旅行中の旅ナカユーザーが何らかの形でスポットの存在を知り、現地(日本)で情報を収集するために検索している割合が高いことが推測されます。
また、東京からのサイドトリップとして人気が高い「高尾山」や「御岳山」ページにおいても、同様に国内からのアクセス数がそれぞれ47.27%、43.40%と、圧倒的に高い結果に。
東京ないし日本を訪れた旅行客が、都会のメインエリアから、気軽に足をのばすことができるローカルエリア・スポットに興味関心を持ち、現地(日本)で情報を収集する傾向が高いことが考えられます。
(参考)サイト全体の国別アクセスは以下となり、英語ネイティブ圏と呼ばれる欧米豪、シンガポールからのユーザーが大多数を占めています。
日本国内からのアクセスの約8割は外国語端末からのアクセスとなっており、外国人観光客または在留外国人からのアクセスであると考えられます。
(下図右グラフ参照)
【サイト全体:国別アクセス】
同一地域のプロモーションでも、スポットやジャンル別で個別にターゲット層を設定するとより効果的
このように新宿や渋谷など、すでに外国人観光客からの知名度・人気が高いエリアのみならず、その周辺のまだ知られていない魅力的なエリアを、旅ナカの外国人観光客をターゲットにプロモーションし、認知度を高めることで、観光客の拡散を図ることができるでしょう。
また、これは観光都市が抱える問題の一つである一極集中(オーバーツーリズム)を避けるための効果的な施策にもつながると考えられます。
このように、多様なスポットや観光スタイルを提供、発信することで、訪日リピーターの増加をも期待できるのではないでしょうか。